東京音楽大学『世界音楽概論』の授業:音楽でめぐる中国とその周辺

18-04-2025

 先週、東京音楽大学にて、講師として担当している「世界音楽概論」の春学期第2回目の授業を行いました。この授業では毎回テーマが変わりますが、今回は「中国とその周辺の音楽」について取り上げました。

 世界音楽概論では、西洋・東洋を問わず、地球上に存在するさまざまな音楽文化を大切にし、学生たちにWorldの色々なMusicを紹介しています。しかし、音楽をただ「知識」として学ぶだけではなく、肌で感じ、心で楽しむことを一番大切にしています!例えば、私自身がその国の伝統的な衣装を身にまとい、伝統楽器を実際に演奏して、学生たちに生の音を聴いてもらうという体験型の授業を行っています。本当に楽しい!

 学生たちも、真剣に学びながら、楽しく勉強してくれていて、その姿を見るたびに「やってよかった!」と心から思います。

 今回の授業では、特別にゲストと一緒にミニ講義と演奏を行いました!中国から日本へ留学し、東京音楽大学大学院多文化音楽領域で修士号を取得、現在は博士課程進学の準備中のデン・ヤセイくんです。

 実は、デンくんが授業に登場するのは今回が二回目!以前も素敵な発表をしてくれたので、今回もとても楽しみにしていました。デンくんには、二胡と京胡という中国の伝統楽器について発表してもらいました!

 二胡の歴史や奏法、楽器構造、さらに二胡と京胡の違いについて、とってもわかりやすく、そして情熱的に話してくれました。もちろん、素晴らしい演奏も披露してくれました!そして、せっかくなので、尺八吹きの私もチャレンジすることに!以前、民族音楽研究所の明清楽専門・稲見惠七先生から頂いた宝物の洞簫(中国の縦笛)を、学生たちの前で演奏してみました!授業では、まずデンくんが二胡と京胡を演奏してくれたあと、私が洞簫で《良宵引》という曲を独奏しました。そして、最後には二人で、二胡と洞簫の二重奏に挑戦!共演した曲は、中国民謡の名曲《茉莉花》です。実はこの曲、前日の夜に急いで自分で編曲したんです(笑)。

 初めての洞簫演奏に、デンくんとの息の合った演奏、もう本当に楽しくて、心が踊る時間になりました!デンくんには心から感謝です!博士課程への進学も、全力で応援しています!!そして何より、学生のみなさんが笑顔で喜んでくれたのが、本当に本当に嬉しかったです!!

 今の音楽大学では、西洋音楽が中心ですが、私は、学生たちには自らの専門や出身にとどまらず、世界中に広がる素晴らしい音楽にも触れてほしいと思っています。ブラジルから日本に来て、こんな素敵な経験ができていることに、心から感謝しています。だからこそ、日本の学生たちにも、世界へ羽ばたいて、色んな国で輝いてほしいと願っています!

 世界音楽概論での学びは、異文化間交流のための大きな力になるはずです!これからも、楽しく、深く、世界の音楽を学べる授業を目指して、頑張っていきます!